シンポジウム2020 若手研究者の研究紹介詳細: セッション3

講 演 者 講演内容
松井 裕美
Hiromi MATSUI
OB/OG

■所属

神戸大学 大学院国際文化学研究科 国際文化学部

■講演タイトル

新たなる人文学研究のネットワークづくりへ向けて:共同研究の3つのかたち

Building Academic Networks in Human Sciences: Three Forms of Collective Research

■講演概要

人文学研究では長らく個人プレーがスタンダードとされてきた。貴重な資料を個人で入手し、その解読・解釈を行い、個人の業績として発表する、というものである。しかし現在ではその動向は少しずつ変わってきている。この発表では、その要因と、私個人が次世代研究者育成プログラムの若手研究者として取り組んできた共同研究の3つのかたちについて紹介する。

大友 瑠璃子
Ruriko OTOMO

■所属

北海道大学 大学院メディア・コミュニケーション研究院

■分野

言語政策、言語計画、バイリンガリズム、マルチリンガリズム

■講演タイトル

言語政策研究:過去・現在・未来

Language policy research: Past, present, future

■講演概要

本発表では、あまり耳慣れない社会言語学の一分野である言語政策研究についての簡単な紹介をまず行い、その上で、
①本研究領域のトレンド分析、②現在・過去・今後の研究についての紹介、③2019年度三大学共同合宿から生まれた共同研究、の3点についてお話いたします。

小坂 俊介
Shunsuke KOSAKA

■所属

名古屋大学 大学院人文学研究科

■分野

古代末期ローマ史

■講演タイトル

古代末期の歴史叙述は都市ローマの何を描き出し、何に沈黙したのか?

What did Ammianus describe and omit? : the city of Rome in Late Antiquity

■講演概要

本講演は、ヨーロッパ古代末期の都市ローマ、そして一つの歴史叙述の分析を通じて、講演者の研究成果の一端と歴史学の手法を紹介します。近代歴史学は過去に関する証拠、すなわち「史料」が伝える情報の真偽を見極め、その史料の特徴を浮かび上がらせる方法を洗練させてきました。本講演では古代末期のある歴史叙述を対象に、その叙述における情報の取捨選択を明らかにし、その叙述に隠された著者の意図を導き出します。

熊 可欣
Kexin Xiong

■所属

東北大学 学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部

■分野

心理言語学、神経言語学、第二言語取得

■講演タイトル

目の動きからわかる漢字熟語の理解

Understanding the mechanism of Japanese kanji word recognition from eye movements

■講演概要

グローバル化が進む中で、複数の言語を使いこなせる人がどんどん増えています。彼らは1つの言語を使っているときに、他の言語システムも自動的に活動するのでしょうか。本講演では、中国語と日本語における同義の漢字熟語(“店员”/「店員」等)の処理に焦点を当て、眼球運動計測装置でえられた中日2言語併用者の注視行動データをもとにこの問いに答えながら、2言語併用者の語彙処理機序を検討していきます。