アンビシャス特別助教制度の概要

1.アンビシャス特別助教制度の目的

北海道大学では、優秀な博士人材の早期育成と多様なキャリアパス形成を目的としたアンビシャス特別助教(以下「特別助教」)制度を創設しました。特別助教制度は、高い潜在力と研究意欲を持つ優れた博士人材を特任教員として早期に採用・育成することで、本学の研究・教育に寄与できる若手研究者ポストを確保します。特別助教期間中は、最適な研究環境で研究力を向上させるとともに、本学が提供するスキルアッププログラムも実施します。また、特別助教期間後は、部局のアカデミックポストへの応募の他、アカデミックキャリアを生かした起業や民間企業への就職など多様なキャリアパスの拡大も期待できます。特別助教制度によって若手研究者が産業界を含めた多様な社会でリーダーとして活躍できるよう育成することで、世界の課題解決に貢献する人材育成を目指します。

2.アンビシャス特別助教について

(1)公募の対象者
次のいずれの要件も満たす人が特別助教に応募することができます。
本学の博士号を有する者(応募段階で取得見込みの者を含む)
雇用開始時において、上記の博士号取得後3年以内である者

(2)業務内容
教育・研究業務のほか、次の業務を行います。
博士人材フェローシップ事業に関する企画・運営等
大学院教育推進機構が実施する大学院教育プログラムに関する企画・運営等

(3) 任期
 2年(再任不可)※ただし、年度途中に採用となった場合の任期は、2年度目の末日までとする。

(4)研究活動費
所定の研究費が支給されます。

(5) 配属先
 創成研究機構と配置部局の両方の所属となります。(配置部局は応募者が選べます。研究したい研究室の代表教員に承諾を得ておく必要があります。)

3.アンビシャス特別助教制度の特徴

(1)本制度は博士人材フェローシップ事業における出口確保の取組として一体的に実施することで、一貫した若手研究者の人材育成制度を確立します。

(2)求めている人材について
・アカデミアを志す人材に限らず、起業・民間企業への就職を想定した研究を行う人材も募集
・博士人材フェローシップ不参加の博士課程学生も含め、要件に合致する候補者を広く募集
・選考では、専門分野において優秀であることに加えて、研究内容やキャリアパスの考え方が柔軟であることや開拓志向の強さも評価されます。また、博士人材フェローシップでの能力開発経験も評価されます。

(3) 活動内容について
① 研究活動は、希望する配置部局等(研究室等)を研究場所として研究力の向上を図ります(究エフォート60%以上とする)。研究エフォート確保のため、卒業・修士・博士研究の指導補助は可能としますが、主任指導・副指導は課さないこととします。また、配置部局等における授業、配置部局等が責任部局として開講する全学教育科目および管理運営業務は課さないこととします。
② 大学院教育推進機構(令和4年4月設置予定)における大学院プログラムの企画・運営、博士フェローシップ事業の企画・運営に参画してもらいます。
創成研究機構が提供する下記のプログラムに参加し、教育力やマネジメント能力、キャリアパス選択のための能力など、専門分野+αの力を身に付けます。
1)多観点で交流を行う研究者交流会
2)研究者のためのSDGsセミナー
3)研究成果を活用した社会実装関連セミナー

(4)募集人数は、毎年度の公募要領で発表します。令和4年度は最大10名の予定です。

(5) 北海道大学、東北大学、名古屋大学の連携コンソーシアムが共同で構築した下記の連携プログラムを利用できます。
 ① トランスファラブルスキル向上セミナー
② 実験機器利用支援(東北大学、名古屋大学の実験機器の利用)
③ 宿泊施設利用支援(東北大学、名古屋大学の宿泊施設の利用)

(6)特別助教の2年間は、それぞれのキャリアデザインにおいて飛躍のための重要な位置づけとなることが期待されます。
 必ずしも2年間で完結する大きな成果を目指す必要はなく、2年後の足掛かりを形成することを重視しています。また、特別助教のキャリアデザインは、アカデミアのキャリアアップを志すのはもちろん、民間企業で研究を活用する方向性も含まれます。例えば、自分の研究分野を拡張するような研究課題に挑戦し、今後応募できる有給ポストの守備範囲を広げるための期間とすることや、民間企業や起業した会社で自分の研究を社会に役立てるための実用化に向けた研究にスライドさせる期間とすることも考えられます。