雪CFDシミュレーションを用いた北方型スマートシティの都市デザイン手法構築

研究者 渡部 典大助教

都市デザインにおいて、地域の気候に配慮した快適な都市環境の創出は、重要な課題である。特に積雪寒冷都市では、冬の寒さや積雪のため温暖地域とは異なるデザインアプローチが必要である。また近年、エネルギー消費を抑えたサスティナブルな都市づくりが目指されており、都市エネルギーの視点を組み込んだ都市空間像が求められる。

本研究は、積雪寒冷都市において風雪環境を改善することにより除雪エネルギーを最小化し、屋内建築エネルギーと一体化した都市空間像である「北方型スマートシティ」の形成に向けて、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いた積雪シミュレーション(雪CFDシミュレーション)による都市デザイン手法の開発を目的とする。本研究は、積雪都市においてスマートシティ実現の基礎となる、理論的な合理性と、具体的なデザイン手法の構築を目指している。

これまでの研究では、冬季の積雪が深刻な札幌都心部を対象に、街区内の屋外空間や周辺環境に与える風雪の影響について、粉体風洞実験による積雪シミュレーションにより明らかにし、屋外空間における除雪エネルギーを低減する街区空間モデル「北方型スマート街区」の計画手法を構築した。これまでの研究の課題として、①より多様な北方型スマート街区の空間形態検討、②「街区」から「地区」「都市」へのスケールの発展、がある。粉体風洞装置での積雪シミュレーションは、模型作成等に時間を要するうえ、装置により対象の大きさが制限される。本研究では、より簡便に広範囲を対象にできる、雪CFDシミュレーションを用いて、北方型スマートシティの都市デザイン手法を構築する。

渡部 典大
助教Norihiro WATANABE

キーワード 都市デザイン / 風雪シミュレーション / 積雪寒冷都市 / 建築計画 / 都市計画
分野 都市デザイン、都市計画、建築設計
事業
  • 連携(次世代)
/
  • 2018年度