人間や動物は不慣れな環境で探索を行う中で、良い結果や悪い結果につながる状況や行動を学習し、新しい行動を学びます。例えば、熱い鍋と知らずにそれを触ってしまったとしたら、二度とそうした行動をしないと学習します。好ましい結果であれ、好ましくない結果であれ、試行錯誤によって学ぶことは「強化学習」として知られています。
脳の深部にある大脳基底核は、生物の強化学習において重要な役割を果たしています。大脳基底核の大部分を占める線条体は、「ストリオソーム」と「マトリックス」と呼ばれる2種類の区画が合わさって構成されています。私はこれらの区画が強化学習に果たす役割を、in vivoカルシウムイメージング、電気生理学、光遺伝学等を駆使して調べています。
実験設備:in vivoカルシウムイメージング装置、32ch電気生理実験装置、頭部固定式行動実験装置など