牛の消化機能の発達: 反芻動物としての機能発現のメカニズム

研究者 鈴木 裕助教

ウシなどの反芻動物は牧草などに含まれる植物性繊維を栄養源として利用できるため、本来はヒトと食糧を競合しない生産動物です。世界の食糧問題の解決には、反芻動物のこのような優れた消化機能を理解し、活用することが有効であると考えられます。反芻動物は反芻胃(ルーメン)と呼ばれる特有の消化管を利用して、植物性繊維を分解します。興味深いことに、生まれたばかりの子牛ではルーメンは発達しておらず、母乳から離乳する時期をさかいに急速に発達し始めることが知られています。このような組織の発達は、消化管微生物がつくり出す短鎖脂肪酸などにより促進されることが知られていますが、その細胞・分子レベルでの機序は明らかになっていません。私の研究では、組織幹細胞を用いたin vitro組織発達モデルの構築や、ルーメンにおける発現変動遺伝子解析を行うことで、ルーメンや関連する代謝臓器の発達機構を精査し、子牛が母乳から草食に適応していくためメカニズムの解明を目指します。

鈴木 裕
助教Yutaka SUZUKI

キーワード ウシ、消化管、組織発達、代謝制御
分野 消化管生理学、反芻動物
事業
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  • 2017年度