研究概要
被子植物の祖先は両性花をもつ両性であり、現存する種の約70%も両性です。動くことのできない植物にとって、両性であることは繁殖機会を高められるため有利となります。その一方で、一部の種では雄花や雌花をもつような性表現が進化しました。植物の性表現の多様化を理解するためには、なぜその性表現をもつことが有利なのか(適応的意義)と、どのようにその性表現が生じるのか(分子制御機構)の両方を知る必要があります。
雌しべと雄しべをもつ両性花の中で、雄花と雌花は、それぞれ雌しべと雄しべの機能欠損により生じます。私はこれまで、野生植物を対象に野外で生態を調査し、この機能欠損がなぜ有利となるのかを調べてきました。今後は、その分子制御機構も明らかにしたいと考えています。