柴田 ゆき野

研究者 柴田 ゆき野特任助教

柴田 ゆき野
特任助教SHIBATA Yukino

分野 行動神経科学、分子生物学
事業
  • アンビシャス特別助教
/
  • 2025年度

研究概要

“自分らしさ”は経験(環境要因)と遺伝要因の相互作用によって形作られます。では、環境要因に対する自身の反応傾向は、生まれもつゲノムがどのような神経分子機構を通じて規定するのでしょうか?もし私が過去に戻って全く同じ環境に生まれ直したら、やはり同じような行動選択をし、同じような人間になるのか?あるいはたとえ違う環境に生まれたとしてもなお残る“私らしさ”とはどのような言動か?そんな好奇心が研究の根底にあります。ヒト以外の動物の行動にも個体差や種差があります。これまで研究対象としてきた歌鳥は、さえずり(歌)を音声学習(感覚運動学習)によって獲得しますが、5000以上もの種がそれぞれ特有のさえずりパターンをもち、歌学習の傾向に種差があります。さらに、同種内でも歌学習の個体差がみられ、同じ歌を手本として聞いて育ったとしても最終的な歌は少しずつ異なります。これまで行ってきた、学習環境を統制した行動実験や歌学習に関与する神経回路のトランスクリプトーム解析等に加え、神経活動記録や光遺伝学等の操作実験など多角的にアプローチすることで、歌学習をはじめとする複雑な行動パターンの多様性を支える神経分子基盤を探ろうとしています。