研究概要
山岳国立公園の主なレクリエーション活動は登山と野営です。環境が脆弱である高山帯において、登山道・野営場の周辺では、継続的な利用による植生の消失や土壌侵食などの環境荒廃問題が進行しつつあります。人材・予算資源・管理技術の制限により、管理の行われていない多くの野営場や登山道が世界中に存在しています。
私は、日本、台湾、ネパールをはじめ、アジアの山岳国立公園を対象に高山帯の登山道や野営場の荒廃問題のモニタリングとその管理に関する研究に取り組んでいます。具体的には、3Dマッピング(UAV マッピングおよびポールフォトグラフィ)の手法を使い、野営場・登山道の地表面を3次元で再現し、ガリー侵食による地表面の変化をセンチメートルレベルで把握したうえで、年間侵食量を明らかにしています。さらに、地元ステークホルダーや市民に登山道の3次元データを収集する方法を普及し、持続可能な登山道管理の枠組みの構築を促進する研究を行っています。