研究概要
遺跡から出土した動物の骨を分析し、過去の人による動物利用について調べています。最近はタカ科の鳥類(タカ・ワシ)に注目しています。
タカ科はかつて矢羽根や鷹狩に利用されていました。縄文時代から江戸時代の遺跡からはタカ科の骨が出土しているものの、骨の形態からどのようなタカ科の種が利用されたかはまだよくわかっていません。
そこで、博物館等に所蔵する日本産タカ科の現生骨格標本の観察・計測から、属や種間の骨形態の変異を明確にします。また、骨コラーゲンの質量分析からタカ科の属や種を識別する鍵となるアミノ酸配列のピークを特定することを試みます。
現生標本の分析から日本の遺跡から出土したタカ科を同定するための基準の確立とともに、その基準を用いた遺跡資料の同定を目指します。