研究概要
皮膚悪性腫瘍は、高齢化や紫外線曝露の増加を背景に、近年増加しています。中でも悪性黒色腫はメラノサイト由来の悪性腫瘍であり、日本人では手足に発生する「末端黒子型」が最も多い一方、欧米では主に「表在拡大型」が多く、病型分布に大きな違いがあります。末端黒子型悪性黒色腫は、既存の化学療法や免疫チェックポイント阻害薬に対する反応性が低く、治療成績の改善が重要な課題となっています。
私は、患者腫瘍を免疫不全マウスに移植する患者由来異種移植(Patient-derived xenograft:PDX)モデルを末端黒子型悪性黒色腫において樹立しました。このモデルは、患者腫瘍の性質を比較的忠実に再現できる前臨床モデルであり、腫瘍の増殖や薬剤応答を体内環境に近い条件で評価できる点に特徴があります。今後はこのPDXモデルを活用し、末端黒子型悪性黒色腫の特性解明と新規治療法の開発を目指しています。